【原子力ワンポイント】 日本の放射線・放射能基準−−福島第一原発事故〈番外編(9)〉 飲酒や喫煙に放射線以上の発がんリスク

ガンになりやすいのは「タバコ」と「成人期の食事・肥満」が一番で、1000ミリSv以上の放射線を浴びないと「タバコ」のリスクは超えません。200ミリSvの放射線を浴びた場合は、「運動不足」の場合とほぼ同程度で、「肥満」の場合よりガンになるリスクは低くなります。

ゲンくん 放射線を浴びると将来ガンになると母さんが心配していたよ。

カワさん 放射線は目に見えないから、特に心配になるよね。国立がん研究センターのホームページには、ガンになる原因因子の分析結果が出ていて、一番は「タバコ」と「成人期の食事・肥満」で全体のそれぞれ30%で、このふたつで半分以上を占めています。その次が運動不足などで5%の割合になっています。

ゲンくん 放射線の割合はどのくらいなの。

カワさん 放射線・紫外線で2%となっています。これは環境汚染・アスベストの2%と同じ割合です。しかし、放射線・紫外線の2%は普通の状態での割合なので、放射線を多く浴びると割合は変わってきます。

ゲンくん 放射線が多くなった場合にガンになる研究はあるの。

カワさん 国立がん研究センターでは、ガンになるリスクの度合いを生活習慣と放射線の線量で対比した結果を公表しています。その結果によると、たばこを吸う人は毎日3合以上お酒を飲む人と同じで、ガンになるリスクが1.6倍になります。これより高いリスクは1000〜2000ミリSvの放射線を浴びた場合で、1.8倍です。500〜1000ミリSvの放射線を浴びた場合は1.4倍で、毎日2合以上お酒を飲む人と同じです。肥満の場合は1.22倍で、200〜500ミリSvの放射線を浴びた場合の1.19倍より高くなっています。少し幅がありますが、運動不足の場合は1.15〜1.19倍で、200〜500ミリSvの放射線を浴びた場合とほぼ同じか若干低くなります。100ミリSv未満の放射線を浴びた場合ではガンが増加するデータは検出できないので、今後の研究に期待しましょう。

原産協会・政策推進部


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