フランス政府 閣僚級安全セミナーを開催

福島事故後3か月が経過し、国際原子力機関(IAEA)が今月20日から原子力安全対策に関する閣僚級会合を予定していることから、仏政府はその準備作業の意味合いも兼ねた「原子力安全に関する閣僚級セミナー」を7日にパリで、経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)との協力で開催した。

先進8か国首脳会議(G8)に名を連ねた原子力先進国のほかに、今後、原子力設備の大幅拡大を計画する新興国を含めた33か国が参加。福島事故から最大限の教訓を引き出すために作業を要する分野として、(1)既存の国際的なメカニズムの強化(2)国際協力活動の増強(3)設備の安全性と危機管理準備の改善――を指摘した。

(1)としては既存のメカニズムを利用した国際条約の更新を挙げており、原子力安全条約や使用済み燃料管理条約などの再検討会議で、その効果のレビューや福島事故に照らし合わせた条項の見直しをすべきだと強調。指摘された課題、勧告事項へのその後の取り組みを議論することが望ましいとしている。

(2)については、継続的に安全性を改善するための透明性強化や堅固な安全文化の構築促進などの国際協力の強化が重要だと説明。原子力導入検討国における独立性の高い規制枠組みの設置や、リスク管理支援のための科学技術の活用促進などを挙げた。また、情報交換の促進や、危機管理上の慣行調整も必要だと強調。IAEAには地震頻発地域での原子炉の建設・操業に関する基準を「国際基本安全基準」に加えるよう求めるとしている。

(3)の具体策としては、既存炉でのストレステストの実施など、各国が国際的に認知された安全対策を展開するよう提唱。新規原子炉については、多国間設計評価プログラム(MDEP)等を通じて規制当局が手続きを調整すべきだとしている。また、国レベルで事故対応チームを組織するなど危機管理メカニズムの改善が必要だと強調した。


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