政府 エネルギー・環境会議始動 原子力依存見直しも

新成長戦略の再設計・強化を図る「革新的エネルギー・環境戦略」を議論するエネルギー・環境会議(議長=玄葉光一郎国家戦略担当大臣)の初会合が22日に開かれ、震災で明らかになった日本のエネルギー戦略の課題を踏まえた、今後検証すべき課題が示されるなどした。電力供給の多くを原子力に依存するエネルギー戦略を見直す一方、当面の需給安定策については、早急に具体化すべく、年内にも基本的な方針を打ち出す。

エネルギー・環境会議は、震災後に露呈したエネルギーシステムの歪み・脆弱性を是正し、安全・安定供給・効率・環境の要請に応える短期・中期・長期からなる戦略策定につなげるべく、関係閣僚で構成し、開催する。

わが国エネルギー構造の検証すべき課題としては、(1)大震災によって明らかになった課題(2)海外との戦略の比較(3)日本のエネルギー・環境戦略の歴史的変遷(4)以上を踏まえた現状の戦略の評価――があげられ、押さえるべき重要論点に、省エネルギー、自然エネルギー、資源・燃料、原子力と、これらを支える電力産業、エネルギー・環境産業を示した上、年央、年末、来年の3段階のタイミングで成果を打ち出すこととした。

当面のエネルギー需給安定策については、成長下振れや空洞化懸念を払拭すべく、年央までに取りまとめ、早期に実行に移すこととし、電力需給動向をデータに基づき客観的に見極め、ピーク時の電力不足やコスト増に対する実効性ある対策を打ち出す。

「革新的エネルギー・環境戦略」策定に向けては、重要論点について整理し、原子力、再生可能エネルギー、化石燃料の見通し・評価等、新しいベストミックス検討の前提となる検証事項を具体化していく。

また、電力システムに関しても、発送電分離も含めた論点整理を行い、原子力のあり方については、新たに独立した体制を設けて検討を進めることとしている。


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