英国の原子力新設計画が進展 政策声明書を議会に提出英・エネルギー気候変動省(DECC)のC.ヒューン大臣は23日、原子力の新設計画を含むエネルギー関係の「国家政策声明書(NPS)」の最終案を取りまとめ、正式に議会に提出した。二度の公開諮問を通じて一般市民から聴取した2500以上のコメントや議会の精査結果を盛り込んだほか、原子力規制機関(ONR)のM.ウェイトマン長官による福島事故の暫定評価内容も勘案。議会審議の後、承認が得られれば、今後これに基づいて具体的な原子炉新設計画が審査・決定される予定で、2018年以降の新規原子炉運開を目指す同国の原子力計画も、大きく前進することになる。 NPSは国内の重要な基盤施設を建設する際、一般からの意見を十分聴取するとともに複数機関の重複審査を省くなど、公正で迅速な判断を下すために2008年に設けられた政策および規制上の枠組み。当該施設の必要性やサイトの検討、影響評価の原則など計画の青写真を記したもので、インフラ施設計画委員会(IPC)はこのNPSに基づいて個別の建設計画申請の詳細を評価し、判断を下すことになる。 「エネルギーNPS」は再生可能エネルギーなど6つのエネルギー分野に関する国家政策を設定。原子力NPSでは、2025年末までに出力5万kW以上の原子炉の設置が可能な候補地として、原子力施設がかつて稼働、あるいは現在稼働中の以下の8か所を指定した。すなわち、ブラッドウェル、ハートルプール、ヘイシャム、ヒンクリーポイント、オールドベリー、セラフィールド、サイズウェル、ウィルファのそれぞれについて、軍事施設等との近接度、津波や洪水のリスク、民間航空機の航路との兼ね合い、海岸の浸食状況等に関する分析・評価結果を記している。 ヒューン大臣は声明文で、「NPSの完成は、安全かつ豊富で低炭素なエネルギーをもたらそうとしている投資家達に対して、英国を真に魅力的な市場たらしめる重要な節目になる」と強調。事業者達は確信を持って市場への巨額の投資が可能になるとしている。 |
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