WH社 ワッツバー2に燃料輸送開始

ウェスチングハウス(WH)社は20日、テネシー峡谷開発公社(TVA)が来年の完成を予定しているワッツバー原子力発電所2号機(=写真中央)(PWR、120万kW)に向けて、初装荷燃料の輸送を開始したと発表した。米国で新規原子炉が完成するのは、1996年のワッツバー1号機以来15年ぶりで、米国の原子力発電設備は105基・1億644万4000kWに増加することになる。

ワッツバー2号機の建設工事は1973年に開始されたが、TMI事故による安全規制項目の追加や電力需要の低下など、認可取得の不確実性を理由にTVAは85年に作業を中断。その後、96年に同1号機を運開させた後、TVAは2007年に約25億ドルの予算で2号機の完成計画を決定した。建設・運転一括認可(COL)を要する新しい許認可手続きとは異なり、改訂前の古い認可手続きに基づいて作業が続けられている。

初装荷燃料の輸送は、米原子力規制委員会(NRC)がTVAに対し、15日付けで2号機用の燃料の受け取りと検査、および貯蔵を認可したことを受けたもの。TVAによると、合計193体の燃料集合体はトラックでサイトに到着した後に検査を実施する。その後、2号機の装荷準備が整うまで新しい乾式燃料貯蔵庫、もしくは使用済み燃料貯蔵プールに保管することになるが、使用済み燃料と異なり、まだ放射化していないため、乾式貯蔵庫で十分安全に保管できるとしている。

また、燃料のほとんどは18か月の運転サイクルで3回使用。全体の3〜4割を停止期間中に取り換えていく計画で、通常120万ドルほどの燃料が約4年半、使用可能だと説明している。


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