セシウム50Bq以下で 水の遊泳基準 高い値検出されず

環境省は23日、海水浴場や河川などで遊泳できる今夏の放射性物質濃度の安全基準を暫定的に定め、同日の原子力安全委員会で承認を得た上で決定した。

1リットル当たり放射性セシウムで50ベクレル以下、放射性ヨウ素で同30ベクレル以下とした。適用は7、8月の計62日間で、毎日5時間泳いでも安全な目安として定めた。来夏については改めて検討することにしている。

枝野幸男・官房長官は同日の記者会見で、各自治体が行った同日までの全国135か所の海水浴場の水質モニタリングでは、いわき市の海水浴場1か所を除き「検出限界以下」で、同海水浴場の値も放射性セシウムが1リットル当たり13ベクレルとかなり低い値であり、「いずれにしても、泳いでも健康に害はないという状況」と強調した。

なお、いわき市では5月30日にすでに今夏の海水浴場の開設は見送る方針を発表していた。

そのときの理由を同市は、(1)東日本大震災により海岸および沿岸部の地域には瓦礫が散乱し、撤去完了には時間を要する(2)今後も続くと思われる余震およびその影響による津波の発生などが懸念される(3)福島第一原子力発電所の事故による風評被害により誘客が見込めない状況にある(4)同発電所から放射性物質を含む高濃度の汚染水が流出しており、海水浴場でも放射性物質が検出されるおそれがある――ことを挙げている。


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