福島県復興ビジョン 基本理念とりまとめ 原子力依存脱却めざす

福島県の復興ビジョン検討委員会(=写真、座長=鈴木浩・福島大学名誉教授)は2日の会合で、今後の震災復興計画に向けた基本理念と主要施策について議論し、概ね取りまとめに至った。基本理念は、前回会合で示された骨子案に掲げた3つの理念「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」、「ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興」、「誇りあるふるさと再生の実現」のもと、復興への主要施策として@緊急時対応Aふくしまの未来を見据えた対応B原子力災害対応――について、委員からの意見を踏まえ、施策例をあげている。復興への基本理念・主要施策例は近く、県知事に対し提言され、復興ビジョン策定に移る運び。

開始に先立ち挨拶に立った佐藤雄平知事は、「今回が1つのヤマ場」と述べ、復興施策に向け、有効な結論が得られることを委員らに期待した。

基本理念は冒頭、「人類史上経験がないような災害に見舞われた」として、災害影響の甚大さを強調、さらに、原子力事故によって、その地名が世界的に知られるようになったとした上で、「新たな社会のあり方を提示するなど、世界に誇れるような復興の姿」を示すべきなどと、方向性を示した。原子力事故を受け、広範囲かつ長期的な被害が明らかになったことから、今後は、「脱原発」の考えのもと、原子力への依存から脱却し、再生可能エネルギーを推進し、環境との共生の図られた社会づくりを目指すこととした。また、発電所の停止により、電力需要地にも影響が及んだことから、エネルギー政策の見直しが国民全体の重要課題となったことを指摘している。


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