【わが国の原子力発電所運転速報】 6月の設備利用率36.8%に 夏季需要期控え、各社節電対策強化

原産協会の調べによると、6月の国内原子力発電所の稼働状況は、総発電電力量129億5909万kWh(対前年同期比44.3%減)で、設備利用率は36.8%(同29.3ポイント減)となり、大地震の影響と、定期検査による停止も加わり、前月の40.9%からさらに下降し、電力各社各号機の稼働実績にはゼロが多数並ぶというこれまで例のない低水準となった。炉型別の設備利用率は、BWRが20.3%、PWRが60.0%。

6月中、定期検査入りなどに伴う停止も、運転再開もなく、前月末より引き続き、全54基中35基のプラントが停止するという状況となった。

東日本大震災に伴う東京電力と東北電力の管内の大幅な供給力減を受け、全国の電力各社とも、夏季最需要期を控えて、ウェッブサイト上に日々の電力使用状況・需要予測をグラフ化して節電を呼びかける「でんき予報」を開設するなど、計画停電を避けるべく対策を強化している。

関西電力では6月29日より、「でんき予報」を開設し、青(使用率90%未満)、黄(使用率90%以上95%未満)、赤(使用率95%以上)の3色に色分けしたイラストで需給状況の度合いを掲載しているが、7月7日からは、使用率が97%を超過する見込みとなった場合に赤のイラストを強調させ、電力供給の逼迫を警告し一層の節電協力を求めることとしている。

九州電力では、玄海2、3号機、川内1号機が定期検査に伴い停止しているが、運転が再開できない場合、夏季ピーク時に供給予備率が3.5%まで、昨夏並みの暑さとなった場合は1.8%まで低下するとして、猛暑による需給増や電力設備の故障発生に危惧している。


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