政府が第2回福島事故検証委 今後、関係者ヒアを優先

政府の福島原子力発電所事故調査・検証委員会(委員長=畑村洋太郎・東京大学名誉教授)は8日、第2回会合を都内で開催(=写真)し、同委下に設置されたチームが対象とする調査・検証事項および、今後、事実調査活動として行うヒアリングの手順を確認した。また、東京電力より事故の概況について説明を受けた。

前回会合で、設置が決まったチームが今後行う調査・検証事項に関して、「社会システム検証チーム」では、事故発生以前の事象・事柄を主な対象に、因果関係をさかのぼることにより、津波対策、シビアアクシデント対策、規制機能の適否などについて、組織的要因、制度的要因、社会的要因、歴史的経緯を明らかにする。

「事故原因等調査チーム」は、事故経過・事故対応の事実関係を客観的に検証し、事故発生・拡大の原因の技術的問題点について調査するとともに、関係組織の意思決定過程の実態なども解明する。「被害拡大防止対策等検証チーム」では、事故発生前の避難対策、事故発生後の各種措置状況、情報提供、諸外国との連携などを検証することがそれぞれ確認された。委員からは、地震発生から津波襲来までの状況が十分解明されていないことなどがあげられ、今後の調査で、事態を時系列に整理していく必要を確認した。

委員会は、9月末まで会合を招集せず、今夏、事実調査活動に集中するが、関係者からのヒアリングについては、原則、非公開かつ少人数で行うことを申し合わせたほか、東北電力・女川原子力発電所など、他の発電所への視察も実施することを確認した。


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