日本原子力学会 早急な情報開示を要求

日本原子力学会は4日、福島第一原子力発電所の事故状況について、政府および東京電力の情報開示が十分でなく、「早急な改善を求める」とする声明を発表した。

同学会は不適切な情報開示の例を列挙しており、@IAEA閣僚会議への日本政府報告書で、「燃料は格納容器にまで漏洩している可能性があるという評価結果が初めて明らかにされた」と指摘し、「このような重大な評価結果が、事故後3か月も経ってから、しかも海外向けの会議資料を通じてしか国民に開示されなかったことは大変遺憾である」としている。

また、A事故初期には原子力防災センター(OFC)からの退避等で相当の混乱があったものと推測しながらも、現地対策本部および福島県がOFCに残置したとするデータの中には、3月12日の時点で福島第一原子力発電所の炉心が損傷し、かつ原子炉の閉じ込め機能が完全でないという重大な事実を疑わせる、大気ダスト中のテルル(Te132)、イットリウム(Y91)などの測定値、3月15日時点での北西方向での高い汚染を示す雑草中のヨウ素(I131)、セシウム(Cs137)濃度などが含まれる。

さらに、B米国エネルギー省の5月26日付の公開資料には国内で公開されていない福島第一4号機の使用済み燃料貯蔵プールの詳細な燃料配置図が掲載され、同省の解析結果なども示されており、東京電力から提供されたデータに基づく解析であることが明記されているもの。


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