露TENEX社 米企業向けに濃縮ウランを出荷

ロシアのウラン製品・サービス販売企業であるテクスナブエクスポート(TENEX)社は15日、米国の電気事業者向けとしては約20年ぶりに濃縮ウラン製品(EUP)を納入した。米国で17基の原子炉を操業する大手原子力発電事業者・エクセロン・ジェネレーション社と2009年に結んだ長期契約に基づき、EUPを同社に直接出荷したもの。TENEX社は今後2020年まで、ロシアの遠心分離濃縮工場で生産した濃縮ウランを同社に供給する計画だ。

ロシアから米国への濃縮ウラン・サービスの供給は、両国政府が1992年に締結した「ダンピング調査保留協定」により、これまでは米国濃縮会社(USEC)向けのものに限られてきた。

しかし、ロシアの核兵器解体から出る高濃縮ウランを米国の商業炉に希釈供給する20年契約が期限切れに近づいていることから、米商務省は08年、ダンピング調査保留協定の修正でTENEX社の親会社であるロスアトム社と合意。ロシアは今年から2013年までは少量のウラン製品を商業ベースで直接米国企業に供給するほか、14年から20年までは米国内の濃縮産業を損なわない程度(所要量の20%)を米国市場に輸出可能になった。

TENEX社はエクセロン社以外に、ルミナント社やアメレンUE社、コンステレーション・エナジー社とも同様の契約を結んでいる。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで