大学連合ATOM/マレーシア原子力庁 原子力基礎集中講義 新規導入国 高まる熱意原子力教育・研究に携わる大学連合「国際原子力人材育成大学連合ネット(大学連合ATOM)」とマレーシア原子力庁(MNA)は7月4日から8日の5日間にわたり、東南アジアをはじめとする原子力発電所新規導入計画を有する7か国(ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、モンゴル、フィリピン、サウジアラビア)を対象として、原子力平和利用・原子力安全ならびに原子力基礎教育のための特別集中講義の第1回をマレーシアのMNA本館大会議場で実施した(=写真上)。 初日はムハマッドMNA理事長ならびに大学連合ATOM代表者である齊藤正樹・東京工業大学教授(=写真左)の挨拶で始まり、引き続き、ザムザム・マレーシア原子力発電会社(MNPC)社長から「マレーシア原子力発電計画の現状」に関するプレゼンテーションが行われた。その後、齊藤教授による福島第一原子力発電所事故状況・対策現状に関する講演が行われた。本講演は公開で実施され、集中講義の受講生を含め約200名の出席者が詰めかけ、熱気のある関心の高いものであった。 初日午後より教員陣10人による講義が開始され、マレーシアの原子力各界から選定された65名の受講生に対する講義が5日間にわたり開催された。教員陣は東京工業大学、北海道大学、福井大学、岡山大学からの教員で構成され、日本の原子力発電所の現状、原子炉工学、原子炉物理、原子炉熱水力工学、原子炉燃料・材料、原子炉安全、原子力廃棄物管理、燃料サイクル、放射線人体影響など多岐にわたるものとなった。1日2講義のペースで進められ、講義中の質疑応答の他、各講義終了時に出された各教員からの質問に対し受講者は6グループに分けられて討議をし、グループの代表者がその討議結果を発表する時間を設ける工夫などがなされた。 受講生65人が最後までほぼ継続して出席するなど、知識を吸収することに対する熱意と国の原子力発電所計画への関心の高さが伺えた。また、閉会式において受講生代表者6名から本集中講義に対する印象・意見が発表され、「今後の定期的な開催と3週間程度の講義を期待する」など大変前向きな要望などがあり、いささか回答に臆するものもあった。また、現時点でも「Look East」が健在であることを自覚させられるものでもあった。 なお、今後も原子力発電所新規導入計画を有する各国にマレーシアと同等の集中講義を順次積極的に実施していく計画であるが、原子力産業界等の関係協力機関との緊密な連携のもとに、更に実のある計画としていきたいとしている。 大学連合ATOMは、北海道大学、八戸工業大学、茨城大学、東京工業大学、湘南工科大学、東海大学、山梨大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学、京都大学、大阪大学、近畿大学、岡山大学、九州大学の15の大学から成り、2010年度から2012年度までの文科省補助事業として、産業界等の関係協力機関の支援のもとにそれぞれの人材育成資源を持ち寄りかつ連携し、質の高い国際原子力人材を育成するための事業を行っている。 |
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