仏アレバ社 ヒンクリー炉で圧力容器契約

仏アレバ社は7月28日、EDFエナジー社が英国ヒンクリーポイント原子力発電所サイトで進めている新規原子炉建設計画向けとして、欧州加圧水型炉(EPR)2基分の圧力容器の鍛造契約を同社と締結した。

7月18日に英国議会が原子力に関する国家政策声明書(NPS)を承認したことから、同国の原子力発電所新設計画がいよいよ、実現可能な段階に達したとの判断に基づいている。EDFエナジー社はヒンクリーポイントの2基のほかに、イングランド地方南東部・サイズウェルでもEPR2基の建設を検討中で、2025年までに両サイトで建設する原子炉の合計出力は640万kWを予定している。

アレバ社はまた、英国で具体的な原子炉建設計画を公表しているその他の2社――独RWE社とE・ON社の合弁企業であるホライズン・ニュークリア社と、英仏スペインの3企業の連合体であるニュー・ジェネレーション社――とも最大6基までのEPR建設について商業協議に入ったとしている。

ホライズンとニュー・ジェネレーションの両社はそれぞれ、600万kWおよび360万kW程度の建設計画を表明しているが、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000とEPRのどちらを採用するかは現段階では未定。

なお、ホライズン社は7月25日、建設候補地の1つ、ウィルファ・サイトで2月から実施していた中間地質調査が完了したと発表した。

2009年から10年にかけて実施した準備調査結果と併せ、同サイトの地質学的特性の理解に役立てるのが目的。今回は地球物理学的な調査のほかに、試掘孔およびトレンチの掘削、水流のモニタリングなどを行っており、今後はこれらの収集データの解析と分析段階に入るとしている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで