福島事故 道筋「ステップ1」終了で 緊急時避難準備区域解除へ

政府・原子力災害対策本部は9日、福島第一原子力発電所事故収束の道筋「ステップ1」終了を受け、緊急時避難準備区域の一括解除を含む今後の避難区域見直しの考え方をまとめた。

緊急時避難準備区域の解除に向けては、(1)水素爆発の発生可能性(2)原子炉の冷却失敗の可能性および万一の場合の影響(3)使用済み燃料プールの冷却失敗の発生可能性(4)地震・津波による使用済み燃料プールの損壊などの発生可能性(5)原子炉から放出が続いている放射性物質による影響――について、評価を行った結果、妥当性が確認できたとしている。緊急時避難準備区域の設定は、広野町、楢葉町、川内村、田村市、南相馬市の五市町村にわたっており、政府は今後、1か月を目処に各市町村より復旧計画提出を受け、地域の実情を踏まえ、一括解除とする考え。また、放射線被害に対する住民不安に応えるべく、8月中を目処に除染に関する基本方針を取りまとめることとしている。

警戒区域の縮小および計画的避難区域の見直しに関しては、事故収束工程の「ステップ2」完了後、原子炉の冷温状態確保などにより、放射性物質の放出が厳格に管理された時点で、検討を行う。

また、対策本部は、避難区域の見直しと合わせ、発電所から20km圏内の警戒区域で、これまで対象外としていた3km圏内についても、一時立入を8月中にも開始することを決定した。


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