ヨルダンの原子炉建設入札 3社から財務提案書受領

ヨルダン国営通信の「ペトラ」は14日、ヨルダン原子力委員会(JAEC)が同国初の原子力発電所建設計画で、候補の国際的な原子炉メーカー3社から財務提案書を受領したことを伝えた。

JAECはすでに6月末に、@ロシアの原子力建設輸出企業であるアトムストロイエクスポルト(ASE)社AカナダのSNCラバリン社B仏アレバ社と三菱重工業の合弁企業――からそれぞれ、100万kW程度のVVER(ロシア型PWR)、改良型CANDU6(カナダ型加圧重水炉)、およびATMEA1(第3世代プラスのPWR)の技術提案書を受領。今後は内閣が設置した特別委員会がこれら2種類の提案書を審査し、12月までに原子炉の採用設計を決定することになる。

ASE社によると、今回の財務提案書には建設価格の計算を含めているほか、入札要項に従ってEPC(設計・調達・建設)契約の形式でも提案書を作成。同社のほかにクルチャトフ研究所や総合エンジニアリング担当のアトムエネルトプロエクト社、設計会社のギドロプレス社、核燃料成型加工コンソーシアムのトベル社といった企業名をロシア入札チームとして明記している。

中東に位置しながら天然資源に乏しいヨルダンでは、エネルギー需要量の97%を輸入するため国家予算の約2割を充当。2019年以降に初の原子炉の運開を計画するなど、代替エネルギー源の確保を急いでいる。

なお、三菱重工業が日本企業としてATMEA1を同国に輸出する際、必要とされている日本と同国政府間の原子力平和利用協力協定については、昨年9月に両国政府が調印したものの、福島事故の発生等を受けて国会承認が延期されている。参院はすでに通過済みだが、衆院外務委員会での審議日程が不透明なため、今期国会で採決されるか否かは未定である。


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