米USEC 濃縮工場の出資企業と契約延長

東芝とバブコック&ウィルコックス(B&W)社は、米国濃縮会社(USEC)がオハイオ州で建設中の米国遠心分離プラント(ACP)に対する出資契約をUSECと結んでいたが、3社はその契約期限を今月15日から9月末に延長することで合意した。

米国での原子炉新設計画の進展に伴い、東芝とB&Wの2社は今後、濃縮ウランの需要が増加すると予測。年間生産能力3800トンSWUとなるACP計画に対し、2010年5月にそれぞれ1億ドルを出資する契約をUSECと締結した。

出資は条件付きで3段階に分けて行われる取り決めで、両社は昨年9月、米原子力規制委員会(NRC)および米国外国投資委員会(CFIUS)の審査完了を受け、初回分として3750万ドルずつを出資した。第2段階である各2500万ドルの出資は、USECが米エネルギー省(DOE)から20億ドルの融資保証適用の言質を得るのが条件だったが、6月末時点で同条件が満たされなかったため、3社は協議の末、契約期限延長という選択をしたもの。

USECが2009年に初めて連邦政府の融資保証適用を申請した際、DOEは「技術的、財政的な面で商業規模への移行準備ができていない」として審査の延期を決定。USECは1年後の2010年8月、遠心機の組立と試運転で実質的な経験を積むなど、指摘された課題に取り組んだとして全面的に改定した申請書を提出していた。しかしDOEは先頃、「USECはさらなる努力が必要だ」と指摘しており、USECでは出資契約期限が切れる前に問題の解決を急ぎたい方針だ。


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