マークT格納容器で NHK ETV特集 訂正を掲載

3月に発生した福島第一原子力発電所事故について、米国GE社製の格納容器「マークT」型の開発・設計に焦点を当ててNHKが14日、ETV特集「アメリカから見た福島原発事故」を放映した。

日曜夜午後10時から教育テレビの1時間半の同番組では、米国での初期の原子炉開発から安全設計、その後の研究開発などを、開発当初の元GE社技術者、原子力規制委員会(NRC)委員、国立原子力研究所の研究者、日本側の関係者などにインタビューして構成。

その放映内容について、東京電力は16日、「事実と異なる内容や誤解を招くおそれのある内容」があったとして、以下の3点をNHKに指摘し、同社ホームページにも掲載した。

@非常用ディーゼル発電機の設置場所をタービン建屋1階から地下1階に移動したというが、運転開始当初から同建屋地下1階に設置しており、途中で移動したという事実はない。

A1号機の格納容器頂部が水素爆発の影響で浮き上がり、結果としてボルトが浮き上がったとのナレーションと共に格納容器上蓋のズームアップ画像が紹介されたが、画像は定期検査で燃料交換などのために取り外してあった4号機の格納容器上蓋であって、事実と異なる誤報。

B格納容器ベントに際してフィルタがないとの指摘があったが、格納容器をベントする際にはフィルタと同程度の放射性物質の放出抑制が可能な水を通しての放出「ウエットウエル・ベント」を採用しており、映像資料にも“wetwell vent”の文字が書かれていたにもかかわらず、このことには一切ふれられていない――。

これらの指摘を受けてNHKでは、@とAについては間違いを認め、ホームページ上の同番組紹介画面のトップに「お詫びと訂正」として掲載した。「今後、事実の確認に関しては十分注意を払っていく」としている。


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