原子力安全委員会 福島事故踏まえ、意見交換再開 シビアアクシデント、規制要求に

原子力安全委員会は8月29日、専門家との意見交換会を福島原子力事故後、初めて開催し、原子力発電所の「シビアアクシデントの事故進展防止と影響緩和」を規制要求に位置付けることを盛り込んだ検討文案について議論した。

同委では、当面の施策の基本方針の推進に向け、2月より専門家との意見交換を開始し、シビアアクシデント対策の高度化を論点としてきたが、今般の福島事故を受け、IAEA報告書に示されたアクシデントマネジメント整備に関する法規制の要求なども踏まえ、議論を再開することとなった。

今回、提示された検討文案は、1992年に安全委が決定した原子力発電所のアクシデントマネジメントに関する文書の改訂版となるもので、「二度と起こしてはならない」との決意のもと、シビアアクシデント対策の新たな枠組みについて、考え方を示した。

対策の方針としては、従来の範囲に留まらず、IAEAの多重防護策で定義する「第4の防護レベル」となる「シビアアクシデントの事故進展防止と影響緩和」に対しても、規制要求や確認の対象とすることとしている。特に、今回の事故の直接的な原因となった地震・津波を起因事象とする全交流電源喪失などの事故シーケンスに対する安全対策については、「第4の防護レベル」のシビアアクシデント対応まで含めた設計、運転管理手順書等の整備を、法規制の要求とするのが妥当としている。


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