アルゼンチン エンバルセ原発で寿命延長工事

アルゼンチンの計画投資サービス省は8月24日、エンバルセ原子力発電所(=写真)(64.8万kW、CANDU6型炉)の運転寿命延長を含む大がかりな改修工事で、同国のニュークリオ・エレクトリカ・アルゼンチナ(NASA)社とカナダ原子力公社(AECL)が7件・4億4400万ドル相当の契約を結んだと発表した。

エンバルセ発電所は1984年の運開後27年が経過。寿命延長計画全体に要する経費は総額13億6600万ドルに達する見通しだ。今回の契約には技術支援およびエンジニアリング・サービス条項が含まれており、圧力管や蒸気発生器、およびその他の機器の取替、技術的なアップグレードにより、出力を3.5万kW(約5%)向上させるとともに、30年間の運転寿命延長を計るとしている。作業は2013年11月から開始し、21か月ほどで終える予定。

ただし、AECLは今年6月、その商用原子炉部門を大手エンジニアリング企業であるSNCラバリン社に1500万加ドル(約12億7200万円)で売却することで合意した。このため、SNC社の100%子会社であるCANDUエナジー社への資産移行手続きが完了するまでは、SNC社の直接支援の元でAECLがアルゼンチンとの契約履行に当たる。なお、総経費の約6割に当たる8億ドル分は地元アルゼンチン企業に発注されるとしている。

アルゼンチンでは現在、エンバルセ発電所のほかにアトーチャ原子力発電所で2基が稼働中だが、そのすべてがCAUDU炉などの加圧重水炉。4基目となるアトーチャ3号機の建設計画については、今年5月にロシアの原子力総合企業であるロスアトム社を潜在的な供給業者(ロシア型PWR)として、予備段階の有資格企業に認定済みとなっている。


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