米国 ハリケーンで2基が運転停止

8月27日から28日にかけて米国東海岸を北上した大型ハリケーン「アイリーン」により、同国東部に立地する20数基の原子力発電所のうち2基が停止したものの、その他の発電所では概ね100%出力で安全運転を継続していたことが米原子力エネルギー協会(NEI)の調べで明らかになった。

14人が死亡し、約400万戸を停電させたというアイリーンの影響が最も大きかったのはメリーランド州のカルバートクリフス原子力発電所(90万kW級PWR2基)で、27日の深夜にタービン建屋から剥がれ飛んだアルミ製の羽目板が変圧器を直撃したため1号機が自動停止。その際、小規模の爆発を伴ったが火災の発生は認められず、所有会社のコンステレーション・エナジー社は、米原子力規制委員会による4ランクの緊急事態尺度で最も低い「異常事態」を宣言した。翌朝、同宣言を解除した後も1号機はオフ・ラインのままだが、同2号機は定格出力で運転中である。

また、ニュージャージー州のオイスタークリーク原子力発電所(BWR、64.1万kW)では、アイリーンによる持続的な暴風が一定レベルに達したため、所有者のエクセロン社は手続きに則った予防的措置として、同発電所を手動で停止した。

このほか、一時的に出力を低下させた原子力発電所は、リメリック1、2号機(それぞれ定格出力の97%と92%に低減)、ブラウンズウィック1、2号機(65%)、ミルストン2、3号機(50%)の6基。通常通り100%出力の運転を継続したのは、サリー1、2号機、セイレム1、2号機、ホープクリーク1号機、サスケハナ1、2号機、TMI1号機、ピーチボトム2、3号機、インディアンポイント2、3号機、ピルグリム1号機、シーブルック1号機、バーモントヤンキー発電所――となっている。


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