東芝 ショー社要請で買取り WH社株の87%を保有へ東芝は6日、米国大手エンジニアリング会社ショー・グループの100%子会社であるニュークリア・エナジー・ホールディングスが保有するウェスチングハウス(WH)社の全持分(同社持株会社株式の20%)を取得する、と発表した。これによって東芝は、WH社の87%を保有することになる。なお、株式取得時期については、今後、所定の手続きを経て確定するため、現時点では未定としている。 東芝は06年10月にWH社を英国原子燃料会社(BNFL)から総額54億ドルで株式の77%を購入。現在は、東芝が67%、ショー社が20%、カザフスタンの国営原子力事業会社カザトムプロムが10%、IHIが3%を保有している。 最近の急激な円高で、ショー社の為替差損が増大したことなどで、同社が東芝に買い取りを要請(プットオプション行使)していた。東芝では長期的な事業戦略などを共有できる企業があれば、新たな出資パートナーを迎え入れる可能性もあり、すでに関心を寄せている企業もあるという。 WH社の次世代型加圧水型原子炉「AP1000」は、米国および中国で10基受注するなど順調に事業を拡大。WH社の事業は日本以外が中心で、米国・中国・英国・インド・ブラジル・東欧諸国などでは、エネルギー安全保障、気候変動抑制のための手段として、東日本大震災後も引き続き原子力発電所建設を推進する姿勢が示されるなど、今後も、世界のAP1000建設受注の機会は増えるものと期待している。 ショー社はこれまで、東芝およびWH社のパートナーとして、米国および中国のプロジェクトで、AP1000の建設エンジニアリングを担当してきた。今後もショー社とは引き続き協力関係を継続し、既に受注している米国および中国の案件については予定通り工事完成に向けて注力していくことで両社間で合意している。 東芝では、今後のプロジェクトの建設エンジニアリングについても、ショー社との協業を検討していく意向だが、株買い取りが行使された後は、案件毎に新しいパートナーを選任する可能性も示唆している。特に、今後、事業機会の拡大が期待される欧州・南米・インドなどの地域では、現地企業などの参画が求められる場合もあり得、案件に応じて参画企業を検討していくことになるという。 |
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