エレクトラベル社 大手顧客と共同設備投資協定

ベルギーで稼働中の原子炉7基すべてを運転しているエレクトラベル社は8月25日、仏国の電気・ガス事業大手であるGDFスエズ社とともに、大手企業連合の「ブルースカイ」と原子力発電所の新設を含む発電設備への共同投資で協力協定を締結した。

ベルギー経済を支える電力多消費企業に一定の発電容量の保有を保証することにより、顧客が一層高額なエネルギーを電力会社から購入せずに済むよう狙ったもの。

「ブルースカイ」は世界最大の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミッタル社のほか、欧州最大手の銅生産事業者であるアルビス社、ステンレス鋼大手のアペラム社、ベルギー最大手の化学会社であるソルベイ社、各種ガス生産企業のソル・フェリュイ社、および非鉄金属製錬・加工・リサイクル回収を主要事業とするユミコア社で構成されている。

両者の主な合意事項は、(1)エレクトラベル社がブルースカイ連合に対してドール1、2号機およびチアンジュ1号機から合計20万kW分の電力引き出し権を2012年1月1日以降、これら原子炉が運転寿命に達するまでの期間、許可する(2)出力20万kWまでの原子力発電所を新設する際に共同出資する(3)新たなコンバインド・サイクル・ガス火力発電所に共同出資する際、ブルースカイはその出力20万kWまでを所有する――となっている。

現時点ではエレクトラベル社に原子炉の新設計画はない。が、電力多消費産業の顧客の要望に沿った発電設備の建設や開発に専門的知見を発揮することで、ベルギー経済において単なる電力供給業者以上の重要な存在となることを目指している。

ブルースカイ側も同協定により、長期的な電力供給ビジョンが得られるとともに、ベルギーにおける産業活動の中で競争力の増強が図れると期待している。


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