野田民主党政権のエネルギー・原子力政策に関する発言・見解

 

《−エネルギー政策の方向性−》

○野田佳彦首相
[9/2就任会見]
・将来的に脱原子力依存
・国民の不安を取り除く形のエネルギーのベストミックスを構築する
・新エネルギーの開発、自然エネルギーの普及、省エネ社会を着実に推進させる流れの中で、エネルギーの基本的計画を作り上げる

○野田佳彦首相(就任前)
[文藝春秋9月号手記]
・電力は日本社会の「血液」そのものであり、政府には電力を安定的に供給する体制をつくる責任がある
・エネルギー基本計画を白紙から見直すことは当然

○枝野幸男経産相
[9/12就任会見]
・CO排出削減については可能な限り最大限の努力を行うことは不変だが、具体的な数値目標は事故を踏まえたエネルギー政策のなかで様々な議論が必要

○中川正春文科相
[9/2就任会見]
・代替・自然エネルギーを中心に達成可能な技術を前提にしながら、核に依存する部分というのを減らしていきエネルギーのベスト・ミックスを

○細野豪志環境・原発相
[9/4記者会見]
・自然エネルギーや節電といった要因を踏まえ、2020年に(1990年比で)25%(温室ガス排出量を削減する)の目標は守っていくことが望ましい

○古川元久国家戦略担当相
[9/2就任会見]
・原発依存度を減らすと同時にそれに代わるエネルギーを短期・中期・長期的にどう確保するか。再生可能エネルギー促進が極めて大事。短期的には天然ガス等化石エネルギーの確保も。

《−既存原発(福島対応)方針−》

○野田佳彦首相
[9/2就任会見]
・原子力発電所は寿命の来たものを更新をするということはない。廃炉にしていく。
・当面はストレスチェック等をふまえて、安全性をきちんと確保しながら、地元の理解を前提に定期検査の原発を再稼働する。電力不足が国内経済の足かせにならないよう配慮する

○野田佳彦首相(就任前)
[文藝春秋9月号手記]
・厳しい現実を直視すれば、安全性を徹底的に検証した原発を当面は再稼働に向けて努力することが最善の策。まずはストレステスト(耐性検査)の整備など規制体系を整え、その中で新しい基準に合わない原発は廃炉にすべき
・原発の依存度を減らす方向を目指しながらも、少なくとも2030年までは一定割合の既存の発電所の活用が現実的な選択

○枝野幸男経産相
[9/12就任会見]
・安全性に対して周辺住民の理解をいただく努力をした上で、稼働できる原発は再稼働する

○細野豪志環境・原発相
[9/4記者会見]
・原発の「寿命」については科学的にしっかり判断
・安全庁は廃炉についてかなり関わることになるのでは

○玄葉光一郎外相
【8/26国家戦略担当相当時の記者会見】
・福島の除染については、今、世界からどう修復していくのかを見られている。チェルノブイリの時にできなかった奇跡を、日本人の誠実さと最先端技術でしっかりと克服していくべき。除染は、年間空間線量が1ミリシーベルトから20ミリシーベルト以下の地域で、比較的高い線量が出ている地域の除染を優先させる。私からは、第3次補正予算を待っているわけにはいかないので、いち早く予備費で、スピード感を持って対応してほしいと要請した。

《−将来原発−》

○野田佳彦首相
[9/2就任会見]
・新たに造るのは現実的に困難だ

○野田佳彦首相(就任前)
[文藝春秋9月号手記]
・今後原子力発電所の新増設は難しい

○枝野幸男経産相
[9/12就任会見]
・(今後の原発建設で)全くの新規(建設)は相当困難なのは大前提。(建設中、準備工事中は)個別に検討しなければならない

《−燃料サイクル政策−》

○枝野幸男経産相
[9/12就任会見]
・「もんじゅ」についてもエネルギー・原子力全体政策のなかで徹底して議論を行うべき

○ 中川正春文科相
 [9/2就任会見]
・核燃料サイクル部門と原子力部門の研究・開発はリスクとエネルギー・ミックスの観点で議論すべき
・核燃料サイクルをどのように位置付けていくかは、文科省だけの話でなく政権としてあるいは野党も含めて国民的議論を
・「もんじゅ」は短期的には予算をつけるべきと考えており、国民と携わる人たちが納得できるような専門委員会で検証していく

○細野豪志環境・原発相
[9/13閣議後会見]
・燃料サイクルについては、古川国家戦略担当相のところでも検討が始まったと聞いているが、特に再処理・バックエンドについては原子力政策大綱で詰めた議論ができると思っている

《−輸出政策−》

○野田佳彦首相(就任前)
[文藝春秋9月号手記]
・短兵急に原発輸出を止めるべきでない
・今回の震災事故を契機に原発安全の新たな技術を蓄積し、相手国が求める限りその危険性と安全対策を伝えることは、震災後の日本だからこそできる新しい国際貢献でもある
・原発輸出に日本がトップセールスを行ってきた経緯もあり、今後も相手国に出向いて首脳間で原発について正確な情報と対策を伝えるべき

○玄葉光一郎外相
[9/2就任会見]
・「原子力発電については、より安全性を高めて活用しながら、依存度を下げていく」とする中間取りまとめを行った政府・新成長戦略実現会議の「エネルギー・環境会議」の議長を務めた。
・原発輸出そのものには、関与してこなかったが、自民党の小野寺議員の質問主意書の答弁書の内容を踏まえていかざるを得ない。
・相手国が希望する場合には、事故の教訓を取り入れ最高水準のものを提供するということ。
・気持ち的に積極的になれるかと言われたら、私は必ずしもなれない。相手国に丁寧に説明し、日本人を信頼し、その技術を買うということであれば、それはもう我々としてもやぶさかではないということだ。


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