韓国の使用済み燃料処分 管理計画案でパブコメ

韓国の知識経済部は3日、同国で稼働する商業炉20基から出る使用済み燃料の技術的に合理的な管理処分政策を策定するため、科学技術的な研究結果に基づく計画案をパブリック・コメントに付した。

現在、韓国では使用済み燃料を発電所サイト内で保管しており、その管理処分方法を、同国の原子力学会と放射性廃棄物学会、および市民団体の「緑の韓国21フォーラム」から成る政策研究会が取りまとめ、大田市の韓国原子力研究所で公表。期限を特定せず、政府関係者のみならずNGO、メディア、消費者団体、学界など国民から広く意見を聴取する考えだ。

同研究会によると、専門家が使用済み燃料管理処分の科学技術的、経済的な側面および実行可能性を審査。これに基づき短期的、中期的、および長期的なオプションを提示している。

短期的には、2016年に満杯となる既存の貯蔵容量を拡張することにより、使用済み燃料を2024年まで一時的に保管貯蔵。具体的な方法としては、1990年から実施中である(1)サイト内移送(2)稠密ラック(3)乾式貯蔵施設――により、一時貯蔵容量の拡大を継続する。

中期的には、最終処分するまでの中間貯蔵施設を政府が建設。集中的な中間貯蔵地点を1〜2か所特定するか、保管能力が飽和したサイトから順次建設する分散方式を検討している。

長期的なオプションとしては、2028年までに乾式再処理技術を実証し再処理施設を建設する。ただし、この場合は現行の米韓原子力協力協定を改正し、韓国の再処理実施に慎重な態度を示している米国の了解を得ることが必要。現在の交渉状況によると、韓国政府が乾式再処理技術の実行可能性調査を完了する2020年まで、米国は可否の判断を保留するとしている。

韓国政府は乾式再処理であれば核兵器への転用が容易なプルトニウムが発生しないとしており、是非とも同技術の開発を成功させたい考えだ。


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