福井県知事 立地地点の立場から 政策の明確化を要請

西川一誠・福井県知事は15日、枝野幸男経済産業相らを訪問し、原子力立地地域の立場から、将来のエネルギー政策、核燃料サイクル政策について、明確な方向性を示すべきとする要請書を提出した。また、定期検査により停止中の原子炉の再稼働については、新たな安全基準の設定など、計6項目の要望事項を掲げ、福島事故の教訓・知見を踏まえた安全対策が十分に図られるよう求めている。

西川知事は、旧菅内閣でのエネルギー政策に関する発言に対しても、「国民も立地地域もますます混乱」などと、不信感をあらわにするコメントを出してきた。今回、野田新内閣による「新増設は困難」、「寿命がきた原発は廃炉」といった今後の原子力発電に対する考えを受け、要請書では「新たな電源確保についての明確な展望を示していない」と懸念した上で、「国民生活の安定と国家の安全保障に関する最重要事項」として、国に対し、エネルギー確保の展望と、原子力発電の将来方向に向け責任ある見解を早急に示すよう求めた。再処理、プルサーマル、高速増殖炉開発などの核燃料サイクル政策についても、安全性、技術的成立性、経済性、海外動向等、慎重に検討し、中長期的にブレない方向性を示すよう要望している。

個別の要望事項として、経産省に対しては、停止プラントの再稼働に関連し、事故の知見公表、新たな安全基準に基づく安全確認、高経年化対策の強化、浜岡原子力発電所停止要請の根拠明示、ストレステストの判断基準の明示などを、原子力防災対策については、発電所周辺の道路整備、防災指針の早期見直しなどをあげた。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで