事故検証委 年末に向け調査佳境 海外専門家も参画へ

福島原子力発電所事故調査・検証委員会の第3回会合が27日、都内で開かれた。今回は、非公開での開催となったため、会終了後、畑村洋太郎委員長(東京大学名誉教授=写真中央)が記者会見を行い、これまでに同委が行ってきた調査の状況を説明したが、検証内容、評価に関しては、「中途半端なところで調査内容が公になる」などと、会合を非公開としたいきさつとともに、年内目処の中間報告および事故収束から一定期間経過後の最終報告までは明らかにしないとした。

畑村委員長は、今後3か月間は海外専門家も参画させて、さらに集中調査を行い、年末の中間とりまとめにこぎ着けたいとの意向を示した。

調査は、関係者からのヒアリングや現地視察により進められてきたが、同委員会事務局の説明によると、26日までのヒアリング人数は延べ275人、総聴取時間は581時間に上った。「社会システム等検証チーム」では、これまでの津波対策やシビアアクシデント対策が十分だったか、「事故原因等調査チーム」では、被害の実態、現場での対処・意思決定過程の状況、福島原子力発電所での安全対策、「被害拡大対策等検証チーム」では、防災に関する法整備・対策、事故発生後のモニタリング・汚染対策などの状況、国内外への情報提供について、調査を行ってきた。

畑村委員長は、8月の記者会見でもヒアリング人数・時間数など、調査状況の概略の説明をしたが、今回も、具体的な検証結果・評価にはふれず、実際に対峙してヒアリングを行った意義を再度強調した。

また、記者からの事故の拡大防止に関する質問に対して、これまでの調査を振り返り、「あり得ることは起きると考え、起きたときにどうするのか、徹底的に考えておくべきだったのでは」と述べるなど、委員会の設置目的の1つである「同種事故の再発防止」に向けた核心ともとれる発言もあった。


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