中国 2件の原子炉建設計画が節目

中国の国家核電技術公司(SNPTC)は22日、世界で初のAP1000となる三門原子力発電所1号機の圧力容器設置に成功、2013年夏の完成に向けて建設作業が機器設置のピークに達したとアピールした。

SNPTCは次世代原子炉の技術開発を目的に設立された機関で、AP1000のような第3世代原子炉の技術習得および主要機器の国内生産を目指している。

三門原発はAP1000に特有のモジュラー工法で作業が進められており、圧力容器は60年間の耐用年数を念頭にウェスチングハウス社が設計。中国一重が一部分を手がけた鍛造品を韓国の斗山重工業が仕上げた。この日は高さ52メートルまで吊り上げられた圧力容器が、2時間ほどで許容裕度が15.5cmしかない位置に設置された。

三門建設サイトでは同2号機の作業も1号機から1年遅れで進められており、現在は格納容器を建設中となっている。

紅沿河はドーム屋根

なお、遼寧省の紅沿河原子力発電所建設サイトでは、20日に4号機の格納容器にドーム屋根が設置された(=右の写真)。土木建築工事を担当する中国核工業華興建設有限公司が早朝6時から作業を開始し、重さ約150トンの屋根をクレーンで吊り上げ、約1時間で無事に作業を完了した。

同サイトでは現在、仏国の技術をベースとする100万kW級PWRであるCPR1000を中国広東核電集団有限公司(CGNPC)が4基建設中。4号機のドーム屋根設置により、1期工事である1号機から4号機までのすべてで土木建築作業が完了し、機器の設置段階に移行するとしている。

同サイトではこのほか、2期工事として同型の原子炉2基を隣接区域に建設する計画となっており、昨年7月に起工式を実施済みである。


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