米ロが共同声明 民生利用で協力拡大へ

ウィーンで国際原子力機関(IAEA)の総会が開催されていた20日、二国間協議を実施していた米ロ両国は、その締めくくりとして原子力協力に関する戦略的な方向性に関する共同声明に調印し、民生用原子力発電の安全かつ確実な拡大を支援していくという両国の方針を改めて表明した。

同声明に調印したのは米エネルギー省(DOE)のS.チュー長官と、ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社のS.キリエンコ総裁。原子力の平和利用と核不拡散という共通課題を追求しつつ、両国が関係を深めていくための重要な節目になるとしており、今年1月に発効したばかりの米ロ原子力平和利用協力協定の下、民生用原子力や科学技術研究および原子力セキュリティといった広範な分野で両国が協力機会を拡大する新たな時代が到来したと強調した。

同声明文では原子力分野の中でも特に、核軍縮と核不拡散、および対テロ攻撃について、両国が積極的かつ継続的にリーダーシップを発揮していく点を確認。民生用協力については主に、福島事故後の原子力安全研究協力について、さらなる協力の重要性を認識する内容となっている。

具体的にはDOEとロスアトム社が商業面、あるいはセキュリティや科学的な部分の協力で共同作業を実施していくだけでなく、原子力研究施設やサイトなど、両国の交流拡大で支援基盤を構築していく意思を再確認した。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで