英国SSE社 原子炉新設計画から撤退

英国セラフィールドで最大360万kWの原子炉新設を計画しているイベルドローラ社とGDFスエズ社は23日、共に合弁事業体を形成していたスコティッシュ&サザン・エナジー(SSE)社が同計画から撤退したと発表した。

これにより、3社で分担保有していたニュー・ジェネレーション(ニュージェン)社の株式はイベルドローラ社とGDF社で折半することになるが、両社は「技術力や経験、知見などを過去数年間で適切に確保しつつある」として同計画の順調な進展を強調。今年の年末までに予備的なサイト特性評価を開始するため、9日に計画承認申請書を地元の審議会に提出したことを明らかにした。

また、SSE社の撤退によりニュージェン社の計画やスケジュールに影響が及ぶことはなく、23年にも新しい原子炉の営業運転を開始するため、2015年頃に最終投資決定を下す予定だとしている。

SSEの説明では、2010年11月時点の半期の決算報告により、新たな原子炉建設への投資を確約する以前に、コストや開発課題、スケジュール、その有効性などの面で最大限の精査が必要と判明。今年5月の年間決算でも、ニュージェン社への投資が可能な状況にないことが改めて示されたという。

このため、SSEはニュージェン社の持ち株25%を残りの2社に売却し、手持ちの資源は当分、これまでに経験と実績を積み重ねてきた分野の事業活動と技術に投入すべきと判断。すなわち、ガス火力や英国政府が原子力とともに開発拡大を考えている再生可能エネルギーに投資していくことになったとしている。

同社はまた、残りの2社と同様、英国の原子力開発に重要な国家政策としての弾みが付いているのは明らかだと考えており、将来、投資家か電力購入者として、再びニュージェン社に関わる可能性も否定していない。


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