関西経済連合会 電力安定供給確保へ緊急要望

関西経済連合会(会長=森詳介・関西電力会長)他、関西の経済7団体は22日、連名で、電力の安定供給確保に関する緊急要望を、首相官邸始め関係行政庁、および民主党に提出した。今冬に向けたさらなる電力需給の逼迫を懸念し、現下の状況で、「わが国のものづくり産業が瀕死の状態」となることを危惧した上で、停止中の原子力発電所の再稼働と、省エネ・低炭素機器導入の促進に向けた政府による早急な対応を産業界として訴えたもの。

緊急要望では冒頭、経済界が現在置かれている円高、法人税の重負担、労働規制、経済連携協定への対応遅れ、温室効果ガス削減、電力供給不足を、「六重苦」ととらえ、新内閣発足に際し、特に、震災復興や超円高の是正に関し、第3次補正予算検討に際して、十分な措置を講じるよう求めた。

その上で、今夏の電力需給状況を、「身を削るほどの厳しい対応を余儀なくされ、生産活動の大きな足かせとなった」などと振り返り、電力問題がさらに継続した場合、国内産業に一層の悪影響が生じることを危惧し、「定期検査を終えた原子力発電所について、政府自身が責任を持って地元自治体の理解・合意を得て、一刻も早く再稼働を早急に実現すべき」と警鐘を鳴らした。さらに、要望書では、去る臨時国会での野田首相による所信表明演説で、原子力発電所再稼働を含むエネルギー政策再構築の方針が示されたことを評価しつつ、電力の安定供給確保に向け、新内閣が実行力を発揮するよう念押ししている。

26日時点で、国内計54基の原子力プラントのうち、43基が停止中となっている。このまま再稼働しない場合、特に関西電力管内では、今冬の電力需要ピーク時に、225万kWの電力不足が発生するという試算もある。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで