今後、評価・報告作り 事故検証委 立地町長から聴取へ

福島原子力発電所事故調査・検証委員会の畑村洋太郎委員長(東京大学名誉教授)は10月28日、記者会見を行い、「全体がようやく見えるようになった」などと、これまでのヒアリング、現地視察を通じた調査の進捗状況を述べ、今後、12月26日の中間報告取りまとめに向け執筆グループを編成、国際専門家の助言も聞いて、集中的に作業を進める考えを明らかにした。

調査委員会は同日、第4回会合を非公開で開催した。畑村委員長によると、今回会合で、中間報告の中身となるベースを議論し、「わかった中身を委員会としてどう評価するか、何が大事かを点検していく段階」に入ったとしている。今夏から集中的に実施してきた関係者へのヒアリングは延べ338名、700時間超に上り、11月からは、福島第一の立地する大熊町、双葉町を訪問し、町長らから被災地住民の状況、国の対応の問題点などを聴取する考えを述べた。また、今後の報告書作成に向け、国際専門家に助言を求めることとし、リチャード・メザーブ米国カーネギー研究所理事長ら3名が決定、さらに近隣国からの人選を進めている。

畑村委員長は、「物事の起こった連鎖を考えるには、現物を見なければいけない」とする一方で、放射能の影響で「現場に近付けない」ことを調査の難点にあげた。また、国会にも調査委員会が設置されたことに関しては、「1つの事故をいろいろな視点で見ることはとても重要」との考えを示した。


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