低線量被ばくで検討開始 政府・放射能対策

政府は、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質汚染対策の一環として「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」を設置し、15日までに2回の会合を行った。避難の基準となる被ばく線量の妥当性などを検討し、約1か月で見解をまとめる。長瀧重信・長崎大学名誉教授と前川和彦・東京大学名誉教授が共同主査。

9日の第1回会合では、児玉和紀・放射線影響研究所主席研究員が原爆被爆者における低線量被ばくの影響について、酒井一夫・放射線医学総合研究所放射線防護研究センター長が低線量被ばくに対する生体の備えについて発表し、議論を行った。第2回会合では、柴田義貞・長崎大学国際健康開発研究科教授がリスクコミュニケーションについて、木村真三・獨協医科大学国際疫学研究室准教授がチェルノブイリ事故の教訓などを参考にした避難や除染について発表した。

細野豪志原発担当大臣は、去る10月31日の日本原子力学会シンポジウムで、低線量被ばく影響に関する科学的知見を得る必要を訴えている。


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