米国のSMR開発に出資へ フルアー社

大手設計・調達・建設(EPC)企業のフルアー社が小型モジュール炉(SMR)の開発に乗り出した。

米国で4.5万kWの小型一体型PWRを開発中のニュースケール社に対し、3000万ドル以上を投資する方針を明らかにしたもの。世界の次世代原子力発電開発において、SMRが有望な選択肢となり得るとの予想の下、原子力新設市場でリーダー的立場を確保するのが狙いだ。

この投資計画の一環として、フルアー社は米国証券取引委員会の管理下にあったニュースケール社株を購入し、同社の筆頭株主となった。双方が今後も独立の立場を維持していくものの、フルアー社はニュースケール社が将来建設するSMR施設に、エンジニアリング・建設サービスを提供する独占的な権利を有することになる。

ニュースケール社はオレゴン州を本拠地とする従業員70名ほどの企業。SMRを最大12基組み込むことにより、54万kWまでの出力が得られる原子力プラント技術の商業化に取り組んでいる。固有の安全性を備えた革新的SMRの初期概念は2000年〜03年にオレゴン州立大学が米エネルギー省(DOE)から資金援助を受けて開発したもの。来年にも米原子力規制委員会(NRC)に設計認証(DC)を申請する予定で、フルアー社の支援により時宜を得たタイミングで同技術を市場に送り出したいとしている。

大型炉と比べて工期が短く建設価格も手ごろなSMRは小規模の電力会社でも手が届く。このため、米国ではDOEが国内でも十分ニーズがあると見込み、2012会計年度で新たに開発経費を計上していた。ウェスチングハウス社が出力20万kW級のSMRを開発しているほか、バブコック&ウィルコックス社も12.5万kWの「mPower」を開発中である。


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