事故コスト0.5円/kWhに コスト検証委 次回報告書案提示

政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」(委員長=石田勝之・内閣府副大臣)の第6回会合が6日、東京霞が関の第四合同庁舎で開かれ、将来事故リスクへの対応コストなどについて課題整理を行った。事務局の国家戦略室では次回13日の会合で、同委員会としての報告書(案)を提示し、さらに年内にもう1回会合を開いて、同会議に報告したいとの方針を示した。

原子力事故のコスト試算では、福島原子力発電所の事故を参考に、さらに補正を加え、1モデルプラント当たり最低額でも約5兆7000億円と試算、1kWh当たりでは0.5円となる。さらに損害額が1兆円増加ごとに、0.09円増加するとしている。

この額の確保について、損害額に事故発生確率を掛けて算出する損害期待値に基づく方法では、保険に加入する契約数が限られ、発生確率は低いながら甚大かつ巨大なリスクであることから、「現時点では民間の保険が成立していない」とし、「日本の原子力事業者が原発稼働期間の40年かけて用意する」相互扶助制度を前提に試算する。

同委員会ではこのほか、他電源の事故リスクについては、燃料輸送中など発電過程以外の事故などが多く、今回試算では考慮しないこと、また、CO対策経費は最新データに基づき試算を行うことなどを確認した。


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