研究経費 適切な公表を もんじゅ 会計検査院が意見書会計検査院は11月29日、衆議院に高速増殖炉(FBR)原型炉「もんじゅ」の研究開発について、特に研究開発経費に関してより透明性を確保すること、使用可能な関連施設の利用活用を図るよう、開発機関の日本原子力研究開発機構に意見する報告書を提出した。 同院では、3月の福島原子力発電所の事故を踏まえて、高速増殖炉サイクルの技術開発を含めたエネルギー基本計画の見直し検討などが行われている現状から、研究開発経費を適切に把握し公表すること、関連施設の利活用をより図るべきとの意見を報告したもの。 原子力機構では、「もんじゅ」の研究開発に要した総事業費(1980年度〜2010年度)は約9265億円と公表しているが、「もんじゅ」の1980年度以前までの原型炉建設準備費など計約48億円、「もんじゅ」に関係した職員の人件費計約438億円、固定資産税約358億円、各種改修工事費約29億円を加え、計約9980億円とするべきと判断し、機構既発表の総事業費を約715億円上回ると指摘している。 同機構では、「もんじゅ」の建設費を約5886億円(うち民間拠出約1382億円)、運転費約3379億円としてきた。 この他、「もんじゅ」関連として、「もんじゅ」からのFBR使用済み燃料を再処理する「リサイクル機器試験施設」(RETF)の建設を1995年7月から開始したものの、同年12月に発生した「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故などの影響から、試験棟の建物部分が完成し、一部の研究用機器が納品されたまま、2012年7月以降建設を中断している。 会計検査院では、このRETFの建設費が約831億円であることを明らかにし、これも「もんじゅ」の総事業費に加えるべきと主張する一方、原子力関連施設として、使用方法を幅広く検討すべく、関係機関と協議すべきとしている。 |
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