福島第一の炉心損傷状態考察 保安院WS

原子力安全・保安院は11月30日、福島第一原子力発電所事故に伴う炉心損傷状況の推定に関する技術ワークショップを、経済産業省庁舎内で開催した。

東京電力他、研究機関より、各種解析手法に基づく評価結果等について説明を受け、討論を行った。現在、福島第一においては、事故収束に向け、原子炉の安定的な冷却と放射性物質放出の管理・抑制に努めているが、直接測定が困難なところ、原子炉圧力容器内温度や格納容器外への放射性物質の放出を把握するための簡易評価手法について、日本原子力研究開発機構が説明した。

続いて、東京電力が、この手法で実機条件を反映して実施した炉内状況評価の推定結果を示し、さらに、解析コード「MAAP」による1〜3号機の炉心状態の推定を説明した。解析結果によると、溶融した燃料が炉内構造物を融解させ、燃料デブリとなって原子炉圧力容器底部より格納容器へ落下、さらに、コンクリート部分を熱分解し侵食する「コア・コンクリート反応」が発生した可能性を推定している。今回の想定条件に基づくと、侵食深さは最大でも1号機の0.65mで、格納容器鋼板には達していないと考えられている。

また、ワークショップでは、エネルギー総合工学研究所が、溶融炉心移行挙動解析モジュールの考えを用いた「IMPACT/SAMPSON」コードによる炉心損傷状況の評価を紹介した。


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