韓国の安全委、福島事故後初めて 新設計画に建設許可発給韓国原子力安全委員会は2日、福島事故後初めてとなる建設許可を新蔚珍原子力発電所1、2号機(各140万kW)計画に発給した。アラブ首長国連邦(UAE)向け原子炉と同型の改良型加圧水型炉「APR1400」となる予定で、2016年以降の完成が見込まれている。安全委はまた、建設中だった新月城1号機と新古里2号機について、試運転のための安全性を最終確認し運転を許可。福島事故後も原子力を国の代表的な輸出産業に育成することを目標に掲げるなど、ひるむことなく原子力拡大路線を決めた同国で、運転を許可された2基は22基、23基目の原子炉として約2070万kWの原子力設備の一角を占めることになる。 APR1400は、1997年にCE社が米国で設計認証(DC)を取得した「システム80+」をベースに改良された設計で、現在建設中の新古里3、4号機に初めて採用されている。新蔚珍1、2号機の建設許可は2008年9月に韓国水力原子力発電(KHNP)が安全委に申請。原子炉の安全審査や検査の専門組織である原子力安全技術院(KINS)が約39か月間かけて予備設計とサイトの安全性を中心に審査し、最終的に両炉の設計が原子力安全に関する法令に基づく認可基準を満たしていることを確認した。 両炉ではまた、福島事故後、設計基準を超える最悪の事態を想定して設定された50件の改善策のうち33件を適用。規制当局による安全性強化対策をすべての予備設計に反映するとともに、今後の詳細設計と建設作業に適用するとしている。 試運転に入る新月城1号機と新古里2号機はともに100万kWのPWRである最適化炉(OPR1000)で、韓国標準型炉の安全性を強化した設計。すでに同型の新古里1号機が今年2月から営業運転を開始している。KINSによる通常の運転認可審査と建設段階の使用前検査をクリアしたもので、50件の改善策のうち非常用電源や冷却能力の確保といった要件を4〜6か月の試運転中に措置。商業運転のための最終的な検証を行う計画だ。 |
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