19日にコスト検証委報告取りまとめ1面本文から続く(=写真はコスト検証委で挨拶する石田副大臣)コスト試算の結果、原子力の発電コストは、割引率3%、設備利用率70%、稼働年数40年の条件では、1kWh当たり8.9円となったもの。ただこれは、福島事故が完全には収束していないため、除染費用など損害額も今後も増大する可能性があるとして、「下限の数字」としている。 内訳は資本費2.5円(04年試算比、0.2円増)、運転維持費3.1円(同1.0円増)、核燃料サイクル費用1.4円(同0.1円減)、今回これに加えて福島事故後の追加的安全対策0.2円、政策経費1.1円、事故リスク対応費用「0.5円以上」となっている。 運転維持費は修繕費増や人件費もやや増加している。核燃料サイクルは六か所再処理工場の操業が遅れており、現状ベースでの「使用済み燃料の半分を20年貯蔵後に再処理し、残り半分は50年貯蔵後、再処理する」というモデルの場合で、割引率がゼロ%以外では再処理が遅延した分、若干安くなっている。使用済み燃料を再処理せず全量直接処分するとした場合は、即再処理の場合より、約1円程度安いと見積もった。 今回の試算では、CO2対策費用を他の化石燃料発電には加算した。風力発電は陸上風力と洋上風力も試算したが、いずれも設置場所によって建設費に大きな差が出ると指摘している。太陽光は技術革新や量産効果などで、2030年には大幅な発電コストダウンを見込んでいるが、広い設置面積を必要とするメガソーラーの土地代などは今回含まなかった。 風力や太陽光の大量導入には系統安定化対策が必要となるが今回は含まず、発電サイトから電力消費地までの電源線費用なども、特定の電源の発電コストに計上することは難しいとの判断から、個別電源のコストとして上乗せしなかった。 委員からは、計画から稼働までの期間が長期(20年と試算)に及ぶ原子力発電はこの間の利子は含めるべき、原子力発電のコストを試算するときの発電電力量2882億kWh(2010年度ベース)から、少なくとも廃止措置が決まっている福島第一原子力発電所の1〜4号機分は除くべきなどとする意見が出された。 |
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