アルバータ州の新設計画断念 加・BP社

カナダのブルース・パワー(BP)社は12月12日、アルバータ州北西部のピースリバー町で2007年から検討中だった原子力発電所の新設を断念したと発表した。

同社ではオンタリオ州のブルース原子力発電所で実施した大がかりな改修工事により、3、4号機が2003年以降に運転再開したのに続き、同1、2号機でも昨年中に燃料の再装荷を完了。15年ぶりに約160万kWの設備が同州のベースロード電源として復帰することになった。こうした背景から同社のD.ホーソーン社長兼CEOは、「ブルース・サイトにおける安全かつ信頼性の高い運転と野心的な投資計画に、引き続き全精力を投入するという事業判断を下した」と説明している。

アルバータ州ピースリバーでは07年8月に、エナジー・アルバータ社(EAC)が先進カナダ型重水炉ACR1000(出力120万kW級)を2基建設するための「サイト準備認可」(SPL)を、カナダ原子力安全委員会(CNSC)に申請。同年11月にBP社が同プロジェクトを買収し、町の西部・ラックカーディナル地点に最大4基を建設することで地元と交渉を行った。

しかし、地元住民の中から原子力導入に対する懸念の声が上がったことから、BP社は09年1月に同SPL申請を取り下げ。建設候補地を町の北部・ホワイトマッドに変更して原子炉新設の可能性を探っていた。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで