体制整い今後本格審議へ 東京では初開催 国会・事故調

国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)が16日、第2回会合を都内の憲政記念館で開いた(=写真)。昨年12月に福島市内で初会合を開催し、東京では初の開催。

議題としては、(1)福島原発事故調査・検証委員会「中間報告」(昨年12月26日公表)について畑村洋太郎委員長(2)東京電力「福島原発事故調査(中間報告書)」(昨年12月2日公表)について山崎雅男副社長(3)文部科学省「東日本大震災からの復旧・復興に関する取組についての中間的な検証結果のまとめ(第1次報告書)」(昨年12月22日公表)について渡辺格・科学技術・学術政策局次長が報告した。

畑村氏は、同委員会としての基本方針を説明し、(1)従来のやり方にとらわれず、何を学び取るかとの視点(2)子孫のことを考えて、100年後の評価にも耐えられるもの(3)国民の疑問に答える納得性(4)世界の人々のもっている疑問に答える(5)責任追及は目的としない(6)事象そのものを正しく捉えて記述(7)起こった事象の背景を把握する(8)再現実験と動態保存・実物保存──の8項目を挙げた。

山崎副社長は、福島第一原発を襲った地震の大きさは、想定した地震動を一部上回っていたもののおおむね同程度であり、改めて地震によるプラントへの直接的影響については、大きな損傷は生じなかったとみていることを報告した。

東京電力の中間報告書で示されている東北地方太平洋沖地震による津波の再現計算結果では、地震発生後4時間以内に約8回の津波が福島第一原発を襲ったが、想定津波最高水位は基準面に対し5.7メートルの対策が採られており、5メートルを超える津波は第1波と地震発生後約51分後にやってきた最大高さ13.1メートルの第2波のみで、第1波と第2波による水没時間は最大15分程度であったことが示されている。

文科省の渡辺次長は、同省が行った緊急時モニタリング対応や、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の体制・活動について説明した。

放射能の放出情報が海外には事故発生後の早い段階から公開されていた点について、渡辺次長は「支援してもらうことを目的に外務省を通じて、米軍には3月14日からSPEEDIの情報を提供していたが、公表という認識ではなかった」と述べた。


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