高レベル処分場で概念設計 仏機関がエンジ会社と事業管理契約

仏国で放射性廃棄物処分の実施主体となっている放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は4日、高レベル廃棄物(HLW)などの地層処分場建設計画でガイヤ・グループとプロジェクト管理契約を結んだ。同計画初となる民間企業との契約締結により、プロジェクトはいよいよ産業設計の段階に到達。2013年に公開討論会と主契約者の選定入札を経て、15年には処分場建設の許可を申請する見通しとなった。

仏国では91年の放射性廃棄物管理研究法に基づく15年間の調査の結果、使用済み燃料の再処理に伴い発生するHLWと長寿命中レベル廃棄物は、可逆性のある地層処分を基本とすることを06年に放射性廃棄物等管理計画法により規定。仏国東部のムーズ/オート=マルヌ両県の県境にある粘土層のビュールでは、すでに2000年から地下研究所の建設と並行して、地下500メートルの位置に100年以上にわたって廃棄物を貯蔵するための研究が実施されていた。

今回、ANDRAと契約したガイヤ・グループは、エンジニアリング会社のテクニップ社とインゲロップ社の合弁事業体。地層処分場のエンジニアリング、操業、閉鎖などすべての段階における操業原則を踏まえた概念設計調査を行い、建設に要する期間や費用を見積もるとともに、建設許可申請で必要となる技術的なデータを集積する予定だ。

ANDRAも廃棄物を発生させる仏電力(EDF)、アレバ社、原子力・代替エネルギー庁(CEA)などと協力して処分場に埋設する廃棄物の在庫量を特定。地元自治体とは地上施設建設の可能性などについて協議を行い、25年に処分場の操業開始を目指す。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで