原子力の重要性 改めて表明 八木電事連会長 燃料サイクルも含め 「電気事業『正念場の年』」 国民の信頼回復に全力

電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は20日、定例記者会見を行い、政府のエネルギー・環境戦略の策定や原子力発電の再稼働課題に対処するため、今年を「電気事業にとって『正念場の年』」と位置付けた。同会長は、今後とも原子力発電が重要電源であるとの考えを改めて表明し、原子力発電所の一層の安全性向上を図る新たな組織を年内に設立し、国民からの信頼回復に全力を挙げる、と強調した。

八木会長は、「電力の安定供給という電気事業の存立基盤を回復すると同時に、原子力の安全確保に万全を期し、国民の皆さんからの信頼回復に全力を挙げることが最重要の課題である」と述べた。

同会長は、中東からの原油輸入が不安定化する懸念がある中で、エネルギー自給率が極めて低い我が国では、安全確保を前提とした「S(安全)+3E(エネルギー安定供給、経済性、環境保全)」の観点から電源のベストミックスを進めることが不可欠と強調し、「化石燃料に過度に依存せず、原子力発電を今後も重要な電源として活用していく必要があると考えている」と主張。

それを支える原子燃料サイクルについても、「エネルギー資源の有効活用や放射性廃棄物の減容の観点から、たいへん重要で、引き続き、安全を最優先に全力を挙げて取り組んでいく」と決意を語った。

また、電力供給の観点から現在議論がなされている発送電分離を含めた電気事業のあり方については、「これまで4次にわたる制度改革の論議に基づいて、我が国の実情にあった日本型の制度が構築されてきている」と述べ、設備の計画的建設や効率的な運用には、現在の発電から送電・配電までの一貫した電力経営が、電力の長期的な安定供給のためには必要であることを強調した。


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