安全性向上で新組織 電事連会長が年内設立を発表

電事連の八木誠会長は20日、同日の総合政策委員会(社長会)で、原子力発電所の一層の安全性向上をめざし、新たな組織を年内に設立することを決めた、と発表した。

同会長は、昨年3月の福島事故を受けて、このような事故を二度と起してはならないとの固い決意で電力各社が徹底的な安全対策に取り組んできたことを述べたあと、シビアアクシデント対策を含む原子力発電所の安全確保対策を一層強化するため、「独立した組織を設立する」と語った。

2月に原子力安全新組織設立準備室を設置して検討を開始する。新組織は、国内産業界を横断するネットワークを確保するとともに、諸外国の関係機関とも密接に連携し、国内外の情報等の収集や安全性向上対策の検討を一元的に実施し、事業者に対して提言、指導、勧告まで行うことを想定している。

新組織のあり方について同会長は、「事業者の意向に影響されることなく判断できる独立性を持たせると同時に、高度な技術力を有する人材を確保することなどにより、各事業者が最高水準の知見を踏まえた対策を迅速に取り入れる実効性を確保する」との方針を示し、こうした仕組みを形骸化させないためには、「経営トップによる強い決意と覚悟が重要だ」と述べた。

設立準備室の体制として5名程度を配置し、05年に原子力産業界の総意で設立した一般社団法人・日本原子力技術協会とも協議をしながら、検討を進めていく。その中では、米国の原子力運転協会(INPO)などと連携し、レビューや助言をもらい、実効性のある組織作りをしていくという。INPOは、1979年のTMI事故を契機に米国原子力発電所の安全性及び信頼性の向上支援のために設立された民間組織。


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