米エネ省、小型炉開発で資金提供公募案 22年までに2設計開発へ

米エネルギー省(DOE)は20日、小型モジュール式原子炉(SMR)の開発に関する資金提供公募(FOA)案を発表した。2022年までに2設計の開発完了を目指し、民間企業とのコスト分担により米国SMR初号機のエンジニアリング、設計認証および認可を支援していく方針だ。今回の措置はFOAの最終案決定に先立ち、民間から意見聴取するのが主な目的で、オバマ政権にとっては、米国におけるSMR製造を通じて、低炭素な次世代エネルギー技術の開発製造で米国がリーダーシップを握り、国内原子力産業を復活させるという誓約を実証する位置付けとなる。

SMR開発に関してはDOEのS.チュー長官が温暖化防止政策の一環として就任当初から関心を示しており、2012会計年度予算要求でSMR開発経費として新たに9700万ドルを計上していた。

巨額の初期投資がネックとなり、フル・サイズの原子炉新設計画では頓挫するものも出るなか、約3分の1サイズの小型炉であれば工場内で製造・組立てた後、サイトへの輸送が容易であり、建設コストと期間の軽減が図れるとDOEは強調。送電グリッドの容量が小さい地域でも承認取得と同時に送電網に接続・発電が可能になるほか、需要に応じて発電規模を調整できるなどの柔軟性があるとしている。

同長官は「新たな雇用や輸出の機会を生み出せる技術を米国が開発しなければ、他国にその地位を譲りわたすことになる」と言明。FOA案の提示がSMRの設計・製造と輸出に向けた重要な一歩であると強調した。

なお同計画には、独自にSMRを開発中のウェスチングハウス社などがDOE資金の適用申請に関心を表明している。


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