ジャイタプールの耐震性強調 インド原子力発電公社

インドで原子力発電所の操業を担当している原子力発電公社(NPCIL)は17日、アレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)の新設サイトとして2009年に選定した西海岸のジャイタプールについて、「地震活動は選定前に多方面にわたって考慮済みだ」との見解を発表した。反対運動の激しい同地で、強い衝撃を伴う事象に際しても十分な安全裕度が保証されることを明確に伝えるのが目的だ。

これは12日にグリーンピース主催の記者会見で、米国の複数の地震学者がジャイタプールは地震多発地域であると示唆したのに対抗した措置。同地では福島事故後の大規模な反対運動で死者が出ており、NPCILでは国民が納得できる透明性のある原子力開発を推進するため、様々な取り組み方法を試みている。

NPCILはまず、同地での地震および地質構造調査は、政府が同地に原子力サイトとしての原則承認を与えた2005年よりずっと以前の、03年〜05年の選定段階で実施していた点に言及。国の専門機関がこれまでに実施した調査活動には以下のものが含まれると説明している。すなわち、(1)地質調査局(GSI)が衛星画像で行った断層マップ調査(2)GSIによる断層の活動状況に関する現地調査(3)GSIによる地下30〜80メートルまでの断層浅地表部掘削調査(4)気象省による断層浅地表部の重力異常調査(5)石油探査協会による海底断層の地震測深調査(6)複数機関による微少地震(MEQ)調査――など。

これら専門家の見解によると、サイトの半径44キロメートル圏内でMEQは観測されず、深さ0.5〜50キロメートルの浅地表部断層で推定される最大加速度(PGA)は0.125〜0.3ガルという穏やかなものになるとNPCILは指摘。過去の地震データに注目しつつ、想定リスクを上回る安全裕度を備えた原子炉設計を特定・建設するという総合的かつ慎重な手法により、ジャイタプールでの原子炉建設には、想定より強い衝撃を伴う事象に際しても十分な安全裕度が保たれると結論付けている。


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