州政府、水使用権承認 米ユタ州での原子炉新設計画

米国中西部・ユタ州でブルーキャッスル原子力発電所の建設を検討しているブルー・キャッスル・ホールディング(BCH)社は1月20日、サイト候補地近隣を流れるグリーン川からの取水許可が州政府から得られたと発表した。

同プロジェクトは現在、事前サイト認可(ESP)申請のための準備が進められている最中だが、水資源の貴重なユタ州で年間5万3600エーカー・フィート(約6600万立方メートル)の水使用権が認められたことにより、2基合計で220万〜300万kWの原子炉を60年間操業するというBCH社の計画は実現に向けてまた一歩、前進したことになる。

ユタ州・天然資源省によると、今回の判断を下すまでに同州では原子力発電所の安全性や地元住民の水利用に及ぼす影響、地元の野生生物に対する懸念、プロジェクト全体の経済性、BCH社自身の財力などを2年以上かけて調査。水源からの利用可能性のほかに既存の水使用権を侵害しないことや、プロジェクトの経済的、物理的な実行可能性などが承認基準となった。

ユタ州初となる原子炉建設計画に今回割り当てられた水使用権は、同州で現在使用されている用水の1%以下。それと引き替えに同州は州内の発電電力量を約50%増大できるほか、原子炉が稼働する60年間に約1000名分の正規雇用、6年間の建設期間中に3000名分の雇用を確保できるとBCH社では強調している。

BCH社がESP申請のための調査活動を開始したのは昨年2月のこと。同3月に米原子力規制委員会(NRC)に宛てた書簡の中では、グリーン川近郊を建設候補地とする同プロジェクトのESPを2012年秋までに申請し、その12〜18か月後には建設・運転一括認可(COL)を申請する予定だと伝えていた。


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