原子炉下部で温度上昇傾向 福島第一・2号機

福島第一原子力発電所2号機の原子炉下部にある温度計1か所で、温度が1月下旬から次第に上昇傾向にあることから、東京電力では炉内への注水量を増加させるだけでなく、再臨界の防止対策として7日午前0時過ぎから約3時間にわたって、ホウ酸水(ホウ酸約1.1キログラム)を炉内に注入した。10日間で25℃程度上昇している。

炉内への注水も、上部の炉心スプレイ系からの注水量を7日午前4時半ごろから、それまでの3.7立方メートル/時から6.7立方メートル/時に増加させた。炉内側面からの給水系配管からの注水量は6.8立方メートル/時は変えていない。

この結果、原子炉下部にある3つの温度計のうち、温度上昇傾向にあった1つの温度計の温度は、6日午後5時に69.2℃、同11時に69.9℃だったものが、対策後、7日午前5時に72.2℃あったものが、同午後5時には68.5℃にまで下がってきている。引き続き同社では温度計の温度傾向を監視していくことにしている。

残り2つの温度計は45℃前後で安定しており、原子炉内のガス状放射性物質濃度も温度上昇前と有意な変化はなく、発電所内の放射線モニタの数値も安定していることから、外部への放射性物質の影響はない。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで