関電原発全停止 32年7か月ぶり 高浜3定検で

関西電力の高浜3号機(87万kW)が20日、定期検査に入り、これで同社の原子力発電所が全基停止となった。同社の原子力発電所が全基停止するのは、TMI事故に伴う検査期間延長などの影響を受け、全6基が停止した1979年7月以来、実に32年7か月ぶり、現在の11基体制となってからは初めてのこと。

国内の原子力発電所は現在、福島事故発生以来、安全評価が行われていることから、再稼働できない状況だが、冬季電力需要増に伴い、関西電力では、依然として厳しい需給見通しを憂慮しており、寒波による需要急増や、発電所トラブルなど、不測の事態に備え、引き続き節電を訴えている。

同社では、今冬に入って、最大電力で前年比の約4〜5%に当たる約110万kWの節電効果があったとしているが、今後、2月下旬〜3月中旬で、▲6〜▲9%の需給ギャップを見込んでおり、追加供給力の確保に最大限の努力を尽くすとしている。

関西電力の原子力全基停止により、現在、運転中の発電炉は、北海道電力泊3号機(91.2万kW)と東京電力柏崎刈羽6号機(135.6万kW)の2基のみとなった。このまま再稼働がなければ、今春にも国内全54基が停止となる。


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