自民党が今夏に向け方針 原子力政策の決定過程を検証 燃料サイクル、「もんじゅ」も検討

自由民主党の2日配信のメールマガジンで、政務調査会・総合エネルギー政策特命委員会の委員長を務めている山本一太・参議院議員が、2月に中間報告を策定した背景などについて、インタビューに答えている。

山本氏は、報告書のねらいについて、1つは、当面の最低限必要な電力をまかなうための原子力発電所の再稼働について、「水力や太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーと省エネルギーを可能な限り促進した上で、テロや有事への備えも含めて安全確保に万全を期し、地元住民の理解を前提にして進めるべきとの見解を明示した」と説明している。

もう1つは中長期的課題として、「火力や再生可能エネルギーはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、試掘が始まったメタンハイドレートなどによる『電源構成のベストミックス』を確立する重要性を指摘している」とした。

山本氏は、「今の段階で40年も先を見通して、脱原発を国策として決定することがベストな選択と言えるのか」と疑問を投げかけ、中間報告では、今後10年を「原子力の未来を決める10年」と位置付け、「原発の是非について国民的議論を喚起すべきとする姿勢を打ち出した」と解説した。

6月の最終報告に向けて山本氏は、2つのワーキング・チーム(1)原子力政策のターニングポイントと政策決定過程について、エネルギー業界、労働組合等と政府や与党との関係を検証する(座長=管義偉・衆院議員)(2)核燃料サイクル、放射性廃棄物処理の歴史、高速増殖原型炉「もんじゅ」などの課題を中心(座長=岩屋毅・衆院議員)──を立ち上げて検討して行くことを明らかにしている。


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