断層の連動可能性調査 安全・保安院 事業者からの検討まとめ

原子力安全・保安院は2月29日、東北地方太平洋沖地震を踏まえた原子力施設の耐震安全性評価に反映すべき地震動に関する事項について、各事業者からの検討結果を取りまとめ公表した。主に、施設の敷地近傍に存在する活断層の連動に関するもの。

保安院は1月末に、大地震の影響に鑑み、専門家からの意見聴取、関係機関による検討・調査などを踏まえ、速やかな耐震安全性確保を図る観点から、原子力事業者に対し、これまで連動性を否定してきた離隔距離が約5kmを超える活断層に関しても、地形および地質構造の形成過程、応力の状況等を考慮して、連動の可能性について検討するよう指示した。

検討結果報告では、東海村にある日本原子力発電の東海第二発電所と日本原子力研究開発機構の東海再処理施設について、サイトから30km圏内の断層群に、連動の可能性が否定できないと評価されたものがあり、両事業者では、引き続き調査・検討を行うこととしている。この他の施設については、活断層の連動性で、耐震安全性評価に変更はないとの検討結果が示されている。

保安院では、これら評価結果について、専門家による意見聴取を進めており、地震を発生させうる主断層と構造的に関係する副断層としての可能性も含め、厳格に確認することとしている。


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